民族楽器やテクノ、ドラム、ギターなどの音源集。DTM、DJ、クリエイター向けのサンプリングCD販売はディスカバリーサウンド。

◊Celia Malheiros｜セリア・マルヘイロス（ブラジル｜作曲家・歌手・演奏家）

「ボンディア・ブラジル」という体験

ブラジルは、その規模と地理的な観点から、世界で最も幅広い種類のリズムを有した国です。私はこの「Bom Dia Brazil（カタカナ？）」のなかに、あらゆる地域を代表する本物のサウンド、数多くのブラジル楽器、そして個性的な演奏方法があまりにも数多く含まれているのがわかって、非常にうれしく感じました。

私自身が打楽器奏者なので、はじめはブラジルのサンプリング音源に対し懐疑的でしたが、その優れたサウンドクオリティに加えてループが非常に使いやすく、活用できるサウンドが多数収録されていることに驚かされました。本作品の音色は物足りなさをまったく感じさせず、リアルなサウンドを創り出すために別のサウンドを付け加えることも必要がありませんでした。試しに自分の演奏とこの作品の音色をいくつか比較してみましたが、実際のものと同じループで演奏されている上、どちらが本物なのか区別するのが非常に難しかったんです！　私は自分のパーカッションとサンプリング音源とをミックスさせて、一味違ったカラーを加えることを好むのですが、今回はサンプリングされた音源のみを使用して2～3の作曲をしてみたところ、とても満足のできる楽曲が仕上がりました。サンプリング音源と自分の楽器に異なったチューニングを用いるのも好きなんです。

ブラジル音楽のリズム、そしてブラジル音楽の起源を理解することは大切なこと。それによって豊かなブラジル音楽へ貢献できるのですから。ほとんどの場合、ブラジルのダンスや儀式、そしてカポエイラの武道さえも音楽と関わりがあります。それはまさに言語のようであって、意味を知らずにその言葉を繰り返すことは簡単ですが、自分自身が話していることや自分の会話の成り立ちを理解するのは素晴らしいことではないでしょうか。エスニックサウンドの魅力は、聴き手をかつて訪れたこともない地へ旅をさせ、サウンドとその地の文化を楽しさと豊かさのなかに共存させることが可能なことです。さあ、あなたご自身で「Bom Dia Brazil」を感じて、音楽の新たな方 向性を導きだて！



◊Music Tech magazine 2003.11（イギリス）
コメンテイター：ナイジェル・ロード

その名が示すように「ボンディア・ブラジル」は、リズムというものが日常生活のバックグラウンドに見事溶け込んでいる、地球上のある地域から生まれた作品である。

この作品はヘピニカ・カシーシ・ヘコヘコ・スルド・アゴゴなど、リアルなブラジル楽器を含んでいる。 しかし、それらの傍らにはアフリカ的なトーキング ドラム、キューバのコンガ、ナイジェリアの土製ドラムであるウドゥも存在する。これらすべて、さらに多くの楽器がブラジル独自のサンバ文化の中で確立してきた。ただ、サンバだけがブラジルのリズムではない。このコレクション が示しているようにバイオーやマラカトゥーのような、サンバに抵抗するかのごとく独自の路線を貫くものもある。

民族音楽を語り合う時、旅行の思い出としての会話に結びつきやすい。実際、 本作品に類似するコレクションの中にはこのような要素を持つものもある。しかし、本物のサウンドを捜しているのであれば、他のCDを見つけようとしないこと。それらCDの再現性は狭いものばかりだが、本作品は非常に生々しく、しかも誠実なサウンドをとても魅力的に発揮するのだ。


◊Home Recording magazine 2003.10（米国）
コメンテイター：タッド・ブラウン氏

ブラジル音楽には融通性があり、だからこそ広くて深さを必要とする音楽制作者には最初の選択肢となる。「ボンディア・ブラジル」は、そんなスタイルに見事ハマるサウンド集である。

サンバ・バイアォン・コロ・ショッチなどから引用されたグルーヴを含む一方、本作品はカポエィラ音楽に重点を置いている。 カポエィラは、音楽性を持 つダンスと武道を融合した伝統的なブラジル舞踏である（ブラジルでのみ成立した、戦闘のための粋なバックビートである）。ループ関係の4分の1以上はビリンバウ・ラットル・タンバリン・ドラムなどの楽器を使用したカポエィラ・ リズムである。カポエィラのアンサンブルや非常に愛らしいヴォーカルを収録したサンプリングなど、貴重なコレクションも満載である。（中略）

本作品は偉大なるサウンド・コレクションである。 エレクトロ・ブラジルやラ ウンジ・ブラジルを制作したい場合、個人でそれに見合ったサウンドを補う必要がある。しかし、この素晴らしい伝統的なサウンドを用いれば、容易にそのインスピレーションが浮かんでくるはずだ。