音楽プロデューサー、作・編曲家、エンジニアと多彩な顔を持ち、様々なスタイルのアーティストをプロデュースしているNicolas
Farmacalidis。彼は「Jupiter」で鮮烈なデビューを果たした歌手“平原綾香”の姉“Aika(アイカ)”のデビューアルバムをプロデュースしたことでも知られています。今回、自身の音楽世界観とチベット音源について語ってくださいました。
いろんな異なる国・文化の音楽を聞いて、理解を深め、学ぶ。
これは、僕がいつも関心を持っていること。
音楽にはたくさんの「色」がある。
そういった様々な「色」に触れることは、音楽プロデューサーにとってとても大切なことだと僕は信じている。たくさんの「色」、つまり、いろんなジャンルの音楽や異なる世界感をもつ音楽に触れることで、僕たち音楽プロデューサーはいつもユニークで新鮮なサウンドを生み出すことができるんだ。
先日、ディスカバリーサウンドからリリースされたばかりの「
アイ・ラヴ・チベット」というサウンド・ライブラリーを試す機会があった。手にしたのは、チベット・サウンドがAcid、Wav、Rex2、Kontakt、Batteryといった複数フォーマットで収録されているCD-ROM。チベットの音楽と文化を物語る素晴らしいムービーも特典収録されていた。レコーディングのクオリティはお見事!音源はとてもクリーン、コンテンツは細部にまで詳しく収録してあり、さらに構成が非常に丁寧であった。
作品の中身はというと、「打楽器、弦楽器、管楽器、寺院の音源(仏教音楽に重用される楽器群)、ヴォーカル」にカテゴライズされ、各カテゴリーにはいろんな楽器の音源やループ素材など、様々なKeyやテンポで振り分けられている。
最初に試したのは弦楽器。
「Dranyen」は、低音域にはじまり高音域に終わるといった具合に4つのセクションにカテゴライズされていて、本当に素晴らしい音色。このサンプルは非常に細かいところまで収録されていて、1音符、2音符、そして弦のはじき方まで多種多様に楽しめる。これは、様々な運弓法や運指法の違いに気が付くほどとっても明瞭なサウンド。
次に試したのは管楽器。
実は、今までフルート音源をずっと探してきたんだけど、コレだって心底思えるような音色には未だ出会えていなかった。たいていのフルートサンプルは深みのない作りもの(フェイク)ばかりだったし。でも、今回ついに「チベット・フルート」と呼ばれるパーフェクトなフルートサウンドに出会ったんだ。サンプルはC、F、D#、A#のキーだけ。でも、繰り返して言うようにサンプルのクオリティは抜群なので、状態の良いサンプラーに通せば音源のもつ「色」や「雰囲気」を全く変えることなく音色の幅を広げることだってできる。