民族楽器やテクノ、ドラム、ギターなどの音源集。DTM、DJ、クリエイター向けのサンプリングCD販売はディスカバリーサウンド。

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前回に引き続きお送りする、久保田麻琴氏が語る連載第二回目は『HAPPY SAMPLING! - ハッピー・サンプリング』。このキーワードが示す意味とは?

アメージング・タイランド\\\
そこには、サンプリングCDに出会えたことの喜び、サンプリングCDに対し抱き続ける理想像、そして、これから出会うサンプリングCDへの期待がふんだんに込められています。

サンプリングCDを活用した制作スタイルにも迫る第二弾!久保田氏の強い想いが込められたメッセージを、是非ご覧下さい。

第一回目:久保田麻琴氏が体感した「アメージング・タイランド」
第二回目:HAPPY SAMPLING! - ハッピー・サンプリング

連載第二回:
HAPPY SAMPLING! - ハッピー・サンプリング
ユーザーとサンプリングCDとの間に、
ハッピーな関係が築けますように!

1. 久保田さんにとって「サンプリングCD」とは?
世の中にサンプリングCDがそれほど出回っていない頃から活用しており、使うようになってから十数年経ちますね。プロジェクトによりますが、作曲やアレンジの際には必ず使用しています。

サンプリングCDの使い道は様々。作曲時に、曲の枠組みをつくる「スケッチ」として利用するのが一つ。いわゆるグルーヴのベーシック部分に使っています。それはドラム・パターンだったりパーカッションだったり、取り入れ方も様々。最終的に仕上がった曲自体には、最初のスケッチ段階で取り入れた音源が含まれていない、という場合もありますね。

それから、ミックスがほぼ完成した段階で物足りなさが感じられる部分があれば、エフェクト的な音源やヴォイスを追加するために、サンプリングCDを利用することがあります。曲の雰囲気に対照的なアクセントを取り入れたい時にループをかませたりもします。 サンプラーとサンプリングCDを利用するのが私の典型的な使い方で、制作時にどの段階でサンプリングCDを使うべきか、というルールはないですね。

2. 久保田さんにとって使いやすいサンプリングCDとは?
最も重視する点は?
通常、私はプロジェクト毎に適したサンプリングCDを多用します。個人的にはAUDIOファイルを使用することが多いです。まず、一度VestaxのDJ用CDプレイヤーで音を鳴らし、ミキサーに立ち上げてピッチやテンポを調整するなどの処理を施しながら、自分のトラックに合わせて最終的にProToolsに流し込みます。

私にとって使いやすいサンプリングCDとは、大まかに分けて2つ。一つは、「音色がおいしく収録されているか、音質はきれいかどうか」。そう簡単に収録できない生の民族楽器や珍しい楽器の音が収録されていれば、非常に魅力的です。処理されすぎてカチコチに編集されていると、逆に使いにくいですね。

でも、時と場合によっては逆にリアルに収録されたきれいな音ではなく、「レトロな音が上手く処理されている方が良い」場合もあります。自分が今どんな曲にどんな感じの音が欲しいのか、その状況によってピックアップするタイトルは異なります。処理され過ぎているものは使いにくいと言いましたけど、そんなサウンドでもセンスよく編集されていると逆に使いやすいと感じられる場合もあります。ただし、いわゆるデジタルくさい音は使いにくいと感じることがしばしば。

サンプリングCDを選ぶ際は自分の中でその幅を限定せず、制作現場で自分の感覚にぴったりくるものを選んでいます。

3. ディスカバリーのサンプリング・ライブラリーでお気に入りの
タイトルはありますか?また、今後リリースをご希望されている
音源があれば教えてください。
『ボン・ディア・ブラジル』は非常に気に入っています。実は、この作品を通じて私はディスカバリーと出会いました。「世界中どこを探しても、これ程おいしい音源が詰まった1枚はない」と感じたのを憶えています。この気持ちは今でも変わらないですね。

ただし本作は急所を外していると感じているので、是非『ボン・ディア・ブラジル』第二弾をリリースして頂きたい。ブラジル北東部(ノルデスチ地方)の音楽はこれからが旬で、その辺りのサウンドを豊富に収めた一枚が欲しいですね。

ノルデスチ地方はパーカッションの宝庫であり、グルーヴ感が強く、ビートとミックスさせることもできるネタもどっさりあります。また、ペルナンブーコ州はアフロ色やインディオ色の強いサウンドが特徴的。現在は地元だけの盛り上がりですが、ルーツ音楽が世界に広がってきている今、きっとワールドワイドに受け入れられることになるでしょう。今、ノルデスチ音楽のコンピレーション・アルバム第二弾を制作中です。

その他、中東系の音源、特に「モロッコ」のサンプリングCDも欲しいですね。リズムの強い、独特のノリが特徴的なモロッコのサウンドもまだ地元だけの盛り上がりですが、これから世に注目される音楽に成長するでしょう。

さらに、インドネシアの音源は未開拓のフィールドであり、サンプリング化できれば素晴らしいこと。これからディスカバリーとの協力を通じ製品化できそうですが、西ジャワ地方は打楽器やビート系が盛りだくさんで、これも多くの支持を得ること請け合いだと思います。

4. サンプリングCDユーザー、これからサンプリングCDを利用する
若い世代へ向けたメッセージをお願いします。
「HAPPY SAMPLING !‐ ハッピー・サンプリング」

ユーザーとサンプリングCDとの間に、ハッピーな関係が築けますように!私はいつも、「自分はラッキーな人間だ」と感じています。というのも、本心から「これだ!」と思えるサンプリングCDにこれまで出会えることができたし、これからもたくさん出会えると感じているから。サンプリングCD一枚一枚には大量の音源が収録されており、ファイルを一つひとつ丹念に聴いて耳で確かめていく作業は時間がかかるけれど、その中で「これ!」と感じられるサウンドに出会った時の喜びは計り知れない。ディスカバリーとの出会いもそう感じることができた貴重な体験で、これから私とディスカバリーとの協力でバリ・ジャワ島のサンプリングCDを手掛けることができることも、大変素晴らしいことだと感じています。

私にとってサンプリングCDは人生そのもの。自分とサンプリングCDとの間にハッピーな関係を築けることは、喜びに他なりません。

4. 久保田さんの今後のご予定は?
モロッコの宗教音楽のグナワと組んでの新作の録音に入ります。モロッコ録音と自宅での編集/ミックス作業になります。2月に仕上がったら、中旬より3度目のブラジル北東部でのカーニヴァルです。あらゆるリズムや芸能、パレードなどが登場しますが、今回はさらに奥地に入ってみようと思っています。カーニヴァル後もしばらく滞在して、あるアーティストのプロデュースに入ります。今年、それ以降はまたインドをテーマにしたものも検討中です。また予測としては、自分が弾くギターのものが来るかもしれませんね。インドネシアの秘境にも旅したいし。全て楽しいものばかりなので、もっともっと時間が欲しいです。さらに、現在、岩波新書出版で『ワールド・ミュージックの今(タイトル未定)』を執筆中です。4月発売を予定しています。乞うご期待!

※久保田さんのご協力を得て実現した、サンプリングCDインドネシア - ザ・マジック』は、2006年3月にリリースしております。
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久保田麻琴(くぼたまこと)
音楽家、音楽プロデューサー。裸のラリーズ等のバンド活動を経て、1973年、ソロ・アルバムを発表し、久保田麻琴と夕焼け楽団を結成。細野晴臣のエキゾチック作品と平行して、「サンセット・ギャング」「ハワイ・チャムプルー」「デキシー・フィーバー」等の傑作を残す。80年代、サンセッツとして米国やヨーロッパをはじめ、オーストラリアやカナダ、さらにはジャマイカに至る世界各国にてライブを行い好評を博す。90年代は東南アジアのポップスに深く関わり、プロデューサーとして活躍し続けている。

『HOTEL BANGKOK』
HOTEL BANGKOK
久保田麻琴氏が率いるBlue Asiaによる、“架空の観光ホテルシリーズ”からの一枚。本作は、2005年11月付けのヨーロッパWorld Music Charts Europeで9位にランクイン!さらに、2006年2月付けのBBS London — Sound of the Worldでは『Record of the Month|今月の一枚』に選ばれました。
ご購入は、Amazon.co.jpまで

※World Music Charts Europeでは、毎月ヨーロッパ23ヶ国のラジオ局で選ばれたワールドミュージック・プレイリストのTOP10から総合順位を決定する、ヨーロッパのヒット・チャートを発表しています。
久保田麻琴の最新情報
06年春、久保田氏初となる著書、『世界の音を訪ねる−音の錬金術師の旅日記』(付録CD付)を岩波新書より発表予定。著書と同タイミングで、久保田氏がプローデュースしたアジアのミュージシャンたちによるワールド・ミュージック凝縮の一枚、『アルケミスト・ダイアリー』と、BLUE ASIA第7弾となる『hotel MOROCCO』も2006年4月26日に同時発売決定!



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